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世界難民移住移動者の日


世界難民移住移動者の日とは? 9月第4日曜日


「世界難民移住移動者の日」は、日本では9月第4日曜日に定められています。1970年、時の教皇パウロ6世が、教皇庁移住・移動者司牧評議会を設立したことを受け、「各小教区とカトリック施設が、国籍を超えた神の国を求めて、真の信仰共同体を築き、全世界の人々と『共に生きる』決意を新たにする日」として設立されました。


「世界難民移住移動者の日」では、おもに滞日・在日外国人、海外からの移住労働者、定住・条約難民、外国人船員や国際交通機関の乗組員とその家族のために「祈り・司牧的協力・献金」がささげられ、それらは日本カトリック難民移住移動者委員会を通じて、幅広く支援に役立てられています。


2008年度 世界難民移住移動者の日 9月28日(日)


テーマ : みんな仲間だ

 わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。 ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです。だからたがいによく考え、助けあわねばなりません。 (第1条)
(『絵本 世界人権宣言』 アムネスティ・インターナショナル日本/谷川俊太郎
金の星社刊よりhttp://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=694)



2008年度ポスター


2008年度 教皇メッセージ       過去の教皇メッセージはこちらから


第94回「世界難民移住移動者の日」教皇メッセージ 「若い移住者」


 今年の世界難民移住移動者の日のテーマは、わたしたちがとくに若い移住者について考えるよう招きます。実際、彼らのことはしばしば日々のニュースで取り上げられています。世界中にグローバリゼーションが広く進行し、流動性が求められています。そのなかで多くの若者もまた、移住して家族や母国から離れて生活するように促されます。結果として、高等教育を受けながら母国を去る若者が多くなっていますが、移住者受け入れ国では彼らが現実的に溶け込むのを困難にする法律が施行されています。実際に移住現象は拡大し続けており、あらゆる社会階層からますます多くの人々が移住しつつあります。だからこそ、公的機関や人道支援団体そしてカトリック教会は、こうした困窮する人々を助けるためにその資源の多くをささげているのです。

 若い移住者はいわゆる「双方に帰属することの難しさ」という問題をとくに感じています。彼らは母国文化を喪失してはいけないと強く感じる一方で、受け入れ社会の中に根本的に溶け込みたいという願望も当然ながら持っています。ただしその際にも、完全に同化して祖先からの伝統を失うような結果は望んでいません。こうした若者の中には、いとも簡単に搾取、精神的抑圧、さらにはあらゆる種類の虐待の犠牲になってしまう少女たちもいます。さて、庇護を必要とする人々の中でも危機的状況にある若者、すなわち保護者のいない未成年者はどうしているのでしょうか。多くの場合、こうした少年少女たちは路上に一人で取り残され、情け容赦ない搾取者の餌食となり、肉体的、精神的、性的暴力の対象にされてしまいます。

  次に、強制移民、難民、そして人身売買の犠牲者に注目してみると、残念ながらそこにも多くの子どもと青少年がいます。世界のあらゆる所に点在する大規模な難民キャンプの悲惨な映像を目前にして、この問題に関して黙っていることなどできません。この小さい人々も他の人々のように、同じく正当な幸福への期待を持って世に生まれてきたことをどうして考えずにいられるでしょうか。また同時に、人間の成長にとても大切な期間である幼児期と青年期には、安定と平穏と安全が欠かせないことをどうして思い起こさずにいられるでしょうか。これらの子どもと青少年の人生経験は、自分の意志に反して収容された終わることのない「キャンプ」生活だけです。彼らは人々が居住する町から遠く離れた所に隔離され、通常は学校に通うこともできません。彼らが自信を持って未来を見すえることなど、どうしてできるでしょう。彼らのために多くの取り組みが進行中なのも事実ですが、適切な受け入れ態勢と育成のための枠組みを設けて彼らを支援するには、より一層の取り組みが必要です。

  まさにこのことについてわたしは問いかけます。どのようにしたら若い移住者の期待にこたえられるのでしょうか。また、彼らの助けとなるために何ができるのでしょうか。もちろん、家族と学校を後押しすることをまず第一に目指さなければなりません。しかし、状況はあまりにも複雑です。これらの若者は家庭と学校で、あまりにも多くの困難に直面しています。家庭においては、母国では存在していた伝統的な役割が崩壊しています。また、自らの文化にいまだ固執する両親と、新しい社会状況に素早く順応する子どもがしばしば衝突します。さらに、受け入れ国で行われている教育カリキュラムに組み入れられる際に、若い移住者が直面する困難も見過ごすべきではありません。

  したがって、学校組織そのものが移住してきた若者の事情を考慮すべきです。そのうえで、彼らのニーズに即した共生のための一定の育成方針を提案すべきです。すべての文化に共通する普遍的原則と価値観に基づいて、クラスのすべての生徒がお互いに尊重し対話する雰囲気をつくることも重要でしょう。教師、家族、生徒などすべての人々の取り組みは、若い移住者を助けるのに必ず役立ちます。そうした取り組みは、彼らが共生という課題に最善な方法で向き合うのに役立つでしょう。さらに、人間的および、文化、職業面での成長を促すものを得る可能性も彼らに提供してくれるでしょう。若い難民にとって、このことはなおさら切実です。学校教育と職場双方で、若い難民のために適切なプログラムを準備する必要があります。それにより、彼らは新しい社会、文化、職業界にきちんと溶け込むのに必要な土台と備えを確保することができるでしょう。

  教会は移住者の世界にとくに注目しています。そして、母国でキリスト教の信仰を育んできた人々が、異なる生活環境の中でもたえずあかしをするために、その信仰の遺産と福音的価値観を実らせることを教会は望んでいます。まさにこのような観点から、わたしは受け入れ国の教会共同体にお願いします。若者や子どもとその両親を思いやりをもって受け入れ、彼らの生活の変化を理解しようと努め、彼らが溶け込むための助けとなるようにと。

  昨年のメッセージでも記しましたが、移住者の中でもとくに配慮の必要なのは、勉学のために家族から遠く離れている他国からの留学生です。その数は着実に増え続けています。彼らはとくに司牧的ケアを必要としている若者です。なぜなら、彼らは他のすべての学生とは違い、単に学生であるだけでなく一時的な移住者でもあるからです。留学生はしばしば勉学の重圧ゆえに孤独を感じるだけでなく、時には経済難にも苦しめられます。母のような心配りを持つ教会は、彼らを愛情深く見つめ、彼らの若さというすばらしい財産を考慮に入れた特別な司牧的、社会的かかわりを実行しようとしています。留学生が異文化交流の動きに自らを解き放ち、異なる文化や宗教を持つ他の学生とふれあうことで自らを豊かにする方法を見つけるのを助ける必要があります。このように学び成長する体験は、若いキリスト者が信仰を深めるための助けとなります。またさらに、カトリック教会の重要な要素である普遍主義に心を開くきっかけにもなるでしょう。

  親愛なる若い移住者の皆様、家族と国への責務を敬謙に真摯に努めることにより、より正しく愛に満ちた社会を仲間とともに築く準備をしてください。法を尊重し、決して憎しみや暴力に心を奪われないようにしてください。むしろ今は、理解と連帯と正義と平和が支配する世界の担い手となるように努めましょう。皆様、とりわけ若い信者の皆様、キリストの知識と愛のうちに成長する学びやの時の恩恵を受けてください。キリストは皆様が主の真の友となるように望んでおられます。そのためには、主のみことばに素直に耳を傾け祈ることにより、キリストとの固いきずなをつねに深めていく必要があります。キリストは皆様が主の証人となるよう望んでおられます。そのためには、勇気をもって福音に生きるよう努め、それを神の愛の具体的な行いと兄弟姉妹への惜しみない奉仕として表すことが必要です。教会もまた、皆様を必要とし、皆様の貢献を期待しています。現在の福音化の状況からして、皆様は非常に摂理的な役割を果たすことができます。異なる文化からやってきてもキリストの唯一の教会に属して皆が一つになります。そうすることで皆様は、福音が生き続け、あらゆる状況に当てはまることを示せるのです。それは昔からありながらもつねに新しいメッセージです。それはすべての人種と文化、そしてすべての世代と時代の人々の希望と救いのことばとなります。

 人類すべての母であるマリアと彼女の夫であるヨセフは、二人ともエジプトではキリストとともに難民でした。わたしは皆様一人ひとり、その家族、広大な若い移住者社会にさまざまなかたちで尽くす人々、ボランティアの人々、そして自らの意志で友として皆様を支え、そばにいる司牧従事者を、マリアとヨセフにゆだねます。

 主がつねに皆様とその家族のそばにおられますように。主とともにあれば、行く手に待つ物的霊的苦境や障害を克服することができるでしょう。これらの願いとともに、皆様一人ひとりとその大切な人に特別な使徒的祝福を送ります。




バチカン 2007年10月18日
教皇 ベネディクト16世



翻訳:日本カトリック難民移住移動者委員会




2008年度 委員会メッセージ    過去の委員会メッセージはこちらから


みんな仲間だ
わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです。だからたがいによく考え、助けあわねばなりません。(第1条)

この宣言がめざす社会
この宣言が、口先だけで終わらないような世界を作ろうとする権利もまた、わたしたちのものです。(第28条)


(『絵本世界人権宣言』 アムネスティ・インターナショナル日本/谷川俊太郎
金の星社刊よりhttp://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=694)



 

 この世界人権宣言は詩人の谷川俊太郎さんが分かりやすく翻訳されたものです。世界人権宣言は、1948年12月10日国連で世界人権宣言が採択され、今年で60年目にあたります。第2次世界大戦が終わり、この宣言が採択されたことは、一人ひとりの基本的人権を守ることが平和な社会の最も基本的なことであり、それがひいては世界の平和につながるという考え方があったのでしょう。

 日本人であろうと、外国人であろうと、また、どのような文化をもっていようが、どのような法的な地位にあろうが、すべての人に基本的人権が保障されなければなりません。そのことが、世界人権宣言が目指す世界であり、多民族・多文化共生の社会を築いていく土台となるのです。

 今年4月、ブラジル移民100年祭(※1)を祝いました。もちろん、日本からの移民はブラジルだけなく、ハワイ、アメリカ、フィリピン、南米、アジアへと送りだされました。いま、それらの国から200万人を越える移住者が海を渡って日本に来ています。日本は多文化共生の時代を迎えています。しかし、まだまだ多文化共生の教会、社会になっているとはいえません。

  世界人権宣言28条にあるように、口先だけでおわらないような社会や世界を作っていくため、移住者たちの権利を保障する「外国人人権基本法」の制定をわたしたちは求めています。こうした移住者たちの人権を法律で保障していくことが、わたしたちの権利なのです。制定に向けての署名(※2)にぜひ参加してください。


2008年9月28日              
日本カトリック難民移住移動者委員会委員長
       谷 大二(さいたま教区司教)



(※1) 1908年4月28日、神戸港から約800人の移民をのせて、笠戸丸がブラジルサントス港に向かいました。日本からの移民の送り出しは戦後の1960年代まで続きました。

(※2)カトリック、NCCなどが参加している「外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会(外キ協)」で行っている署名活動です。毎年署名を集めています。




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