内閣総理 大臣
自由民主党 総裁 小泉純一郎 様
わたしたち日本カトリック難民移住移動者委員会では、海外からの移住者、難民、国際結婚によるダブルの子どもたちと共に生きる社会の実現をめざして活動しています。 四月に与党の教育基本法「最終報告」案が発表されました。それについて、わたしたちは次の二つの点を指摘し、拙速な改正を行わないことを要望します。
(1)「教育の目標」について 「最終報告」の2、教育の目標、五 「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う。」 グローバル化した世界のなかで働く子どもを育てるという目標が掲げられていますが、この考え方の中には、海外からの移住者・難民の子ども、国際結婚によるダブルの子どもの存在が無視されています。 もし、この目標を教育現場で具体化するなら、移住者・難民の子ども、ダブルの子供に同化を強いることになります。また、教育の目的にかかげられている「人格の形成」や、子供たちのアイデンティティの形成にも影を落とすことになります。 日本国内では、移住労働者や国際結婚も増え、それにともなって日本国籍を持たない子供たちも増えています。今後もさらに増えると予想されます。そうした子供たちのことに配慮して、上記の条文を再検討されるよう要望します。
(2)義務教育について 現行「教育基本法」の義務教育に規定を引き継ぎ、義務教育について規定されていることは評価できます。しかし、5義務教育(1)「国民は、その保護する子に・・・」では、移住者(外国籍)の子どもが含まれているのかはっきりしません。日本は「子どもの人権規約」に批准しているのですから、移住者の子どもたちも含まれることを明記すべきでしょう。そうでなければ、地方自治体などで混乱が生じることになります。 また、今回の改正を機会に、子どもたちの「義務教育の機会も保障し、その水準を確保するため」に、外国人学校などにも必要な助成を図ることを要望します。 この二点について、すべての住民が「教育基本法」の改正の議論に参加する必要があります。改正については、拙速に国会で審議するのではなく、充分に時間をかけて市民的な議論を深めていくことを要望します。