J-CaRM News No.5を発行しました。今号は、船員の日と、新型コロナウイルス移住者・難民への影響についてのダブル特集です。こちらからご覧いただけます。

船員の日メッセージについては、こちらをご覧ください。

巻頭言 新しい港に向かうために

今年は新型コロナウイルスの感染拡大という大きな試練の中で船員の日を迎えます。さらなる感染拡大防止のために国境を越えた人の移動は大きく制限されていますが、物流は止めることができません。そのために船員のみなさんは日々変わらず働いておられます。大型クルーズ船の事例でもわかるように、ひとたび船内で感染が起こると大変なことになります。それで、船員たちは外出を制限され、AOSの訪船活動も停止している状態です。このような厳しい状況の中でわたしたちの生活を支えてくださっている船員のみなさんに感謝の気持ちを新たにいたしましょう。

新型コロナウイルスの荒波は、陸に住むわたしたちの社会に津波のように襲いかかりました。そして、それは社会のもっとも弱い立場にある人々を直撃しています。日本にいる難民・移住者の人々も大きな影響を受けています。船員司牧もそうですが、人と接することが必要な支援が困難になりました。そのため、難民申請者や生活困窮者への支援にも支障が出ています。また、新型コロナウイルスによる業績悪化から技能実習生や外国人労働者への雇止めや給料未払いなどの事例が今後増加する恐れがあります。

「新しい生活様式」が提案されている今こそ、わたしたちは弱い立場の人々とともに生きる社会を目指して、「新しい社会」をつくる機会としていかなければなりません。新型コロナウイルスの荒波を乗り越えて新しい港に向かうことができるように、水先案内人である主の声に耳を傾けることが必要です。

日本カトリック難民移住移動者委員会
秘書  柳本 昭