「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまでそこにとどまっていなさい。ヘロデがこの子を探し出して殺そうとしている」(マタイ2:13)。

一国の指導者の命により、人間のいのちが脅かされ、その結果人々が国を追われるということは、イエスの時代から現代にいたるまで、世界のいたるところで繰り返されています。今年はロシアの侵攻により何百万人にも及ぶ人々がウクライナを追われています。多くの難民を生み出すのは人間の仕業ですが、同時にその難民を保護するのも人間です。かつて、ドイツのメルケル前首相は中東からの難民を人数制限なしに受け入れました。それに対する非難の声には「(難民に)手を差し伸べ、それを謝罪しなければならないのなら、ドイツは私の国ではない」と断言しました。牧師の家庭に育った彼女の政治姿勢は、福音に基づくものであったことはいうまでもありません。聖家族は難民としてエジプトに避難しました。現代においてもなお、人種や宗教あるいは政治的理由で祖国を離れざるを得ない人々のために、祈りと援助の手を差し伸べていきたいと思います。

 

日本カトリック難民移住移動者委員会
担当司教 森山信三

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