2023年「世界難民移住移動者の日」委員会メッセージ

「移住かとどまるかを選択する自由」

教皇フランシスコは、今年の世界難民移住移動者の日にあたって、「移住かとどまるかを選択する自由」を選ばれました。教皇は、紛争や自然災害などあらゆる理由のために、「移住はすべて自由な選択であるべきですが、……途方もない数の人が国を離れざるをえない事態にあります」としておられます。移住者の権利を守るべきことは当然ですが、「移住せずに生きられる権利」を守ることは私たちの務めであると指摘されます。

折しも日本では、2021年にいったん廃案になった入管法改定案が2023年6月に可決されました。その内容は、諸外国に比べて極端に低い難民認定率を改善しようとしないばかりか、難民申請者の送還を可能にし、迫害を受ける恐れがあるのに難民を本国に送り返すものです。さらに送還忌避罪を創設し、帰国できない事情があるがゆえに在留を希望する人に刑罰を加えるなど、難民申請者の命を脅かす改悪法となっています。

私たちは教皇の呼びかけに応えて、入管法改悪に抗議し、真の法改正を目指します。一人ひとりの人権が守られ、すべての人の命を大切にする社会のためにともに歩んでいきましょう。

2023年9月24日
日本カトリック難民移住移動者委員会
委員長  山野内倫昭
担当司教 森山信三

関連文書:  2023年「世界難民移住移動者の日」教皇メッセージ

英語版      “Free to choose whether to migrate or to stay”
スペイン語版   “Libres para elegir, si migrar o quedarse”
ポルトガル語版   “Livres de escolher se migrar ou ficar”
中国語版      选择移民或居留的自由
韓国語版      「이주할지 머무를지를 선택할 자유」
ベトナム語版    “Tự do lựa chọn di cư hay ở lại”